目には見えないもの

今日のブログは特に香水香料業界の若い世代に読んでほしいな。



香りのプレゼンテーションを生業としているので、



良く聞かれるのが、「目に見えない香りをプレゼンテーションするのって難しそう。どうやってるの?」



という質問です。



ごもっともな質問ではあるんですが、ここでひるんでいたら、何も始まらないですよね?




というか、僕からしたら、料理の世界やドリンクの世界も同じようなもので、




ワインの通販ページを読んでいても、風味は分からないですよね。



調味料の通販番組を見ていても、その味を感じられるわけではない。



ただ、想像することができます。



ワインを好きな人は、ワインに関しての情報をすでにかなり持っているので、



記事の内容や、番組の様子から、想像することができる。



調味料に関してもまたしかり。



つまり、これらの商品は、プレゼンターと受けて(消費者)の間にある程度の共通言語や情報が


すでにあるので、話をしやすんですね。



これに対して、香水やフレグランスの世界は、共通言語に近いものがまだ構築されていないので、


コミュニケーションを取りづらい環境と言えます。




そこで僕が常日頃工夫しているのは、相手がイメージしやすいフレーズや、相手が経験してきている



分かりやすい単語に置き換えていく事です。



例えば、柑橘系の香りで、とても透明感のある香りがあったのですが、



これをどう表現したら相手に伝わるかな、と考えていた時に、



「あ、ポカリスエットを飲んだ時に感じる香りとこれはかなり近いな」



と気づいて、ポカリスエットというフレーズを商品説明やプレゼンテーションに取り入れました。




もちろん、フレグランスや香りは趣向品、ラグジュアリー産業でもあるので、




あくまでもイメージを維持した説明でないといけませんが、




こういうものの考えを取り入れると説明しやすいのではないでしょうか?




目に見えないのは、他の産業と一緒。




重要なのは想像しやすいコミュニケーションをとること。




そのために語彙力や情報を増やす事。