今まで、僕がバーを出した理由は知人以外には特に語ってきませんでした。
だけども、父が他界した今、
なぜなら、今この瞬間に僕が感じてる僕たちの父子関係だったから。
父、石坂敬一は音楽業界でも有名な酒飲みでした。
その飲みっぷりは酒仙といってもいいほどで、
60代に入ってからは強い蒸留酒が好きで、
ジャケットの内側から、
いつでもどこでもクイっと飲んでしまう。
そんな人なかなかいないですよね?笑
親父はそんな感じだったんです。
現役で働いている時は、
日中は働いて、夜はバーで政治をやる。
そんな生活だったんだと思います。
現役の間はそんなダンディズム溢れる生活を実践していましたが、
仕事の第一線を退いてからは、
また同時に、
仕事に自らの自らの戦場を見つけ、
そこに生きがいを見出してきた人間には、
隠居生活は正直つまらないんだと思います。
張り合いを生きがいにしていた人間から
そんな親父の姿が僕にはとても不憫でした。
一言で言うと、「おい、親父、カッコつけてくれよ!」
と言う感じです。
そこで僕がたどり着いた一つの考えが、
「親父といえば、酒と音楽。だから親父らしい音楽を集めたバーを出そう。」
と言うものでした。
石坂敬一の引退後のエピソードとしてはいいんじゃないかな?と言うアイディアでした。
親父は反対してましたが、
バーの名前は親父の愛称「KEI」を文字って、Keizにしました。
何らかの形で親父っぽい感じが良いかなと思ったんだけど、
Keizなら、キーズと読んで、響きが音楽っぽいかな?と思い。
だからバーの名前はキーズにしました。
僕は飲食店をやったことがないので、
物件の契約、内装の手配、酒屋の契約、バーテンの雇用。。。
全てが手探りでした。
けど、
「やると言ったらやる!」
という僕のベンチャースピリットと、
「やるからにはダサい店にはできない」
という格好つけ精神で、
試行錯誤を繰り返して、昨年の夏くらいにはやっと形が整ってきました。
当初は乗り気ではなかった親父は店の一番の常連客になりました。
昔の仕事仲間や後輩などを連れてきてはウォッカソーダをよく飲んでました。
そんな店で打ち合わせされて始まった親父のラジオ番組がKei's Barでした。
笑
おい親父、
とツッコミが思わず入りますね。
この話をブログに書くのは初めてですが、これが僕がバーを出した理由です。
親父には最後まで粋でいて欲しかったし、
面と向かって仲良くする父子関係ではなかったから、我々はこんな感じでした。
言ってしまえば、一つの愛と尊敬の形がバーだったんです。
そんなバーだから、これからも絶対に存続させるという気持ちでいます。
たまに親父の面影を感じにきてくれる人もいると思うしね。
どんどんパワーアップして良いバーにしようと思うのでよろしくお願いします。
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