フレグランスプロデューサー

昨日、今日と気温が上がり小春日和ですね。



ちょうど一週間前からものすごーく忙しくなり、すっかりブログから遠ざかってしまいました。笑


さて、今日はフレグランスプロデューサーという職業についてです。


最近はフレグランスプロデューサーになりたい、という希望を持つ人に会う機会が少しずつ増えてきました。


おそらく、日本では今までフレグランスプロデューサーという呼称を使った人はほとんどいないのではないか、と思います。


僕はセントネーションズ設立とともにこの呼称を使い始めたのですが、当時はまだ耳慣れない感じでしたから。


仕事で様々な方にお会いすると、僕のことを調香師だと認識されている方が多いのですが、そんな時は「僕は調香師ではなくフレグランスプロデューサーです」とお伝えしています。




「香りだけでなく、デザイン、広告、価格、流通まで全ての方向性を決めていく、というのが僕の範疇になるので、そういった意味で調香師とはまるで違いますよ」



という意図を伝えていくのにプロデューサーというフレーズはとても使い勝手がいいんですよね。



フレグランスプロデューサーというとその名の通り香りのプロですが、実はフレグランスプロデューサーの立場から見ると、香りはあくまでも一つのファクターでしかない、とも言えます。


極端にいうと調香師は香りのことだけを考えますが、プロデューサーにはより広い視野と理解が必要とされます。


商品のデザイン、広告イメージ、撮影の手配、その全てを予算内で実施すること、そして納期、原価と売価の設定、キャッチコピーの設定etc、、、商品を作るというのは本当に大変な作業で、、、


それ以外にも多くの要素が有機的に絡み合ってきますから。。。




香りだけを見ていれば良い、ということではないんですよね。




しかし一方で、矛盾するような言い方をすると、、、


フレグランスプロデューサーに最も重要な資質が感覚的に香りを理解することだと思います。



つまり、香りのセンスです。


理解するセンス、そして表現するセンス。


この二つが求められます。




香りは目に見えず体系化しづらいので、そこにやりづらさを感じる人はまずフレグランスプロデューサーには向いてないと思います。



逆に、感覚的で不確かな香りの性質を、


「これこそが自分の考えを表現するスペースだ!」と捉えることができる人には香りは向いている職業だと思います。




日本のフレグランス産業は輸入産業として成長してきているので、フレグランスプロデューサーと言えるような人、というか前例があまり存在しないです。





なので、プロダクトとして香水を作り上げるフレグランスプロデューサーになること自体、難易度が高いのですが、、、



一方で、


世の中のテクノロジーはとどまることを知らずに進化し続けているので、


今後のフレグランスプロデューサーに求められる資質のうちの一つとして、

プロダクトの枠を超えてサービスや新たな価値を創造できるかどうか、という点が重要になってくるように思います。



今日はそんなことを、

フレグランスプロデューサーという職業を改めて考えて思いました。